MCTオイルは医療現場で使われているって本当?脳や病気に期待できる効果とは?

バターコーヒーに始まり、MCTオイルダイエットとしてその名前が知られるようになったMCTオイル。実は医療現場で40年以上活躍しているって知っていましたか?
この記事ではMCTオイルの知られざる活用方法や効果、近年の研究でわかりつつある脳の病気へ期待される効果など、ダイエット目的以外でも活躍するMCTオイルの働きに迫ります。

MCTオイルは医療現場で使われてきたって本当?


MCTオイルはバターコーヒーに使うオイルなど、ダイエット食品として今のように知られる以前から、医療現場でさまざまな効果を期待され、活用されてきました。医療の現場では、治療だけでなく栄養や食事管理など、さまざまな観点から患者の状態をコントロールする必要があります。

その中でMCTオイルが主に効果を期待されているのは「栄養管理」の面です。
入院経験のある方は知っていると思いますが、病院での食事は普段の食事とはかなり内容が違いますよね。しかも病気の内容によってもメニューは大きく変わります。

例えば普段口にするサラダ油などの長鎖脂肪酸。これは摂りすぎると脂肪として蓄積されてしまい、肥満の原因にもなります。しかしMCTオイルの主成分である中鎖脂肪酸は素早く分解されエネルギーになり、脂肪として蓄積されにくい性質を持っているなど、医療の現場で求められる効果を発揮しやすい食品なんです。また、MCTオイルは体内でケトン体に変わりやすいという性質も持っています。ケトン体は糖質に代わり体を動かすエネルギー源になるもの。カロリーや糖質をコントロールしつつも、栄養不足にさせないその効果は長年医療現場で活用されてきました。

どんな病気の治療に効果がある?


MCTオイルは薬ではありません。MCTオイル自体に病気をどうこうする効果はありません。

しかし病気は手術などの治療を施せばそれでおしまいではありません。元の元気な体を取り戻す中でMCTオイルは活躍し、その効果を発揮しています。

よく知られているのは消化器系など栄養の吸収に影響のある手術後を受けた患者の栄養管理や低栄養患者の栄養補給としての効果です。
また、MCTオイルは母乳と同じ成分を含むことから、未熟児への栄養補給などにも活用されてきました。
その他、高脂質食を必要とするてんかん患者や腎臓病の患者などにも使用されています。MCTオイルは実に40年以上医療現場で活用され、さまざまな疾患を持つ患者にとって欠かせない存在となっています。

MCTオイルの中鎖脂肪酸が持つ、素早く分解されエネルギーになる働きは、生活習慣病の原因の一つである中性脂肪を減らす働きがあることも、近年わかってきている。

MCTオイルは現代人の悩み「中性脂肪」を減らす効果!?

ダイエット
中性脂肪とは名前の通り脂肪の一種です。
食事中の脂肪が腸で吸収されて血液中に取りこまれた「外因性トリグリセリド」というものと、一度肝臓に取り込まれた脂肪が再び血液中に分泌された「内因性トリグリセリド」というものがあります。
血液中には中性脂肪以外にもの脂肪が存在していて、中でも中性脂肪とコレステロールは動脈硬化の原因と言われています。

中性脂肪は病気の原因にもなりますが、同時に体をエネルギー不足にしないための貯蔵庫のような役割もしています。しかし現代人の食生活はリッチで高カロリー、高糖質に偏りがちです。これらの食生活は余分な中性脂肪を溜め込む原因になってしまいます。
そして余分な中性脂肪はやがて皮下脂肪に代わります。皮下脂肪は肥満や生活習慣病の原因になる恐れがあるため、その前に「中性脂肪を減らす」のが効果的ということになります。

MCTオイルの主成分である中鎖脂肪酸はこの中性脂肪を減らす効果が期待できると言われています。

中鎖脂肪酸を含むオイルは「特定保健用食品(トクホ)」として市販されています。通常の調理用油としてスーパーの油コーナーに並んでいるものです。
しかし、調理用油の場合は中鎖脂肪酸の含有率が低めです。炒め物など加熱調理OKというメリットはありますが、効果的に中性脂肪に働きかけてくれるのはやはりMCTオイルの方が上。

脂肪という脂のせいで太ったり、病気のリスクがあるのにさらに油を摂るの?と思われるかもしれませんが、MCTオイルの持つ効果は一般的な調理用油とはまったく違います。
糖質を控えめにしつつ、赤身の肉や鶏胸肉。魚など高タンパクな食材を意識して摂取、そこにMCTオイルをプラスすることで健康的に中性脂肪を減らしていく効果が期待できますよ。

MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸の中でもラウリン酸(C12)には満腹感を長続きさせる効果あります。空腹を我慢しながら、健康のため・・・と苦しむことなく、お腹周りスッキリを実現しましょう!

MCTオイルは介護現場でも効果を発揮


MCTオイルは長年にわたり医療現場で使用されてきた安全性の高い食品です。近年では医療現場だけでなく介護の現場でもその効果を期待され、活用され始めています。

歳を重ねれば重ねるほど、食が細くなるのは仕方のないこと。しかし「運動もそんなにしないし・・・」と、食を疎かにすると、低栄養になってしまう可能性があるんです。
高齢者ほど、適切に栄養を摂ることが健康を保つ秘訣といえます。

とはいえ、若い頃と同じような食事を続けるのは難しいですよね。そこでMCTオイルが効果を発揮します。例えばお味噌汁や温豆腐など、食べ慣れているものや口当たりが良く食べやすいものにMCTオイルをプラス。
MCTオイルの中鎖脂肪酸はすぐにエネルギーになり、しかも体にとって必要な脂質もチャージできます。

MCTオイルは固形物ではないので、飲み物や汁物にプラスすれば手軽に摂取できるため、食が細くなった高齢者でも負担なく効果的に栄養補給できる食品として注目されつつあるんです。

特に介護が必要な高齢者の場合、噛む力や飲み込む力の衰えによって、通常の食事がほぼ不可能な場合もあります。MCTオイルは流動食などとの相性も良いため、介護現場にも広く取り入れつつあるようです。

認知症などの脳の病気にも効果がある?

さらにMCTオイルは高齢者の栄養補給以外にも、その効果が期待されています。それが脳の病気に関する効果です。

高齢になると、認知症やアルツハイマーなど脳の能力が低下する病気のリスクが高まってきます。これまで認知症など脳の病気の原因は加齢による脳の萎縮や異常なタンパク質の蓄積が原因と言われてきました。しかし近年の研究により脳が栄養不足になっていることも脳の病気の原因ではないかとわかってきているんです。

脳の栄養不足とは?

脳のエネルギー源は何か、知っていますか。実は脳はブドウ糖しかエネルギー源にできないと長年考えられてきました。実際、主なエネルギー源はブドウ糖です。
そして認知症の患者の脳はエネルギー源であるブドウ糖をうまく取り込めず、栄養不足に陥っていることが近年の研究でわかってきています。
脳も体と同じように、エネルギーが不足することにより正常に機能しなくなってしまうのです。

しかし、脳はブドウ糖がエネルギー源として使えなくなると、代わりにケトン体という物質をエネルギー源として使えるkがさまざまな研究から明らかになりつつあります。
認知症などの脳の病気により、ブドウ糖がうまく取り込めなくなっても、体内にケトン体を増やしそれをエネルギー源にすることで加齢や病気の影響で衰えつつある脳の機能低下の抑制につながるのではないかと言われています。

脳とMCTオイルの効果、その関係は?

ではなぜ、脳の病気とMCTオイルの効果はどんな関係があるのでしょう?それはMCTオイルが持つ「ケトン体を効率的に作り出す効果」にあります。

脳や体の本来のエネルギー源は糖質であり、ブドウ糖です。これらのエネルギーが体内に十分にあれば、ケトン体は生成されず、エネルギーとして使われることもありません。
ケトン体は本来、体が飢餓状態にある時に作り出される臨時のエネルギー源なんです。
ではケトン体を作り出すには、無理矢理に体を飢餓状態にするしかないか、というとそんなことはありません。それこそMCTオイルに期待される効果なんです。

MCTオイルは体に糖質やブドウ糖が十分にあっても、直接肝臓に運ばれケトン体を効率よく作り出す効果があると言われています。

MCTオイルの効果によって作られたケトン体は、ブドウ糖がうまく取り込めなくなっている脳で、ブドウ糖の代わりにエネルギー源となる効果が期待できます。
これにより、脳の栄養不足を解消し、認知症など脳の機能が低下する病気に効果があるのではないかと、近年わかってきているんです。

MCTオイルは脳や体全体に効果的に働く!


MCTオイルは乳幼児や病後の患者への栄養補給はもちろん、成人のダイエット、高齢者に多い脳の病気予防などさまざまな効果が期待できる食品です。

また、MCTオイルは無味無臭のサラッとしたオイルなので、さまざまな食品と相性がよく摂取しやすいのも嬉しいポイント。
薬と違い食品なので、毎日継続して摂取する上で取り入れやすさは魅力ですね。

ダイエット以外にも効果が期待できるMCTオイル。ぜひ家族みんなの健康習慣のために積極的に取り入れてくださいね。

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